2面継ぎとは

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2面継ぎ(にめんつぎ)



サイズが大きな箱を作るときに、設備の最大寸法を越えてしまうことが稀にあります。
そのような時、通常は1枚のダンボールの板から作られている箱を2つのパーツに分けて途中まで作り、
最後に繋ぎ合わせて箱にする加工方法
のことを2面継ぎと呼んでいます。

「2枚継ぎ」や「2枚はぎ」、「2ピース」とも呼ばれることがあります。

2面継ぎでの加工はみかん箱タイプの形で多く見られますが、
例えば抜型を使って作る上差込下組式などの形でも
サイズが大きすぎるとこの方法で作られます。

みかん箱タイプは外装箱としての用途を前提としているため、加工する設備もそれ相応に大きなものまで対応できるようになっているため、
2面継ぎになるようなサイズのものは恐ろしく巨大なサイズになります。
大抵、人が数人は入れるようなものです。

対して抜型を使って作るタイプの2面継ぎは「え?このサイズでも?」と思う程度のサイズでも2面継ぎになることがあります。
これは内装箱としての用途を前提に設備が作られているため、その最大許容寸法も小さいためです。

さて、みかん箱タイプでは長さ面の横に糊代が来ますので、2面継ぎのパーツを作るには
 糊代+長さ面+巾面
というパーツを2つ作り、1つのパーツの糊代をまず巾面に接合します。
この時点で普通の形と同じになりますので、最後に糊代をグルっと反対側の巾面に接合して完成します。

2面継ぎ

2面継ぎの場合、その接合は一般的には平線止めにて行われます。

段ボール糊は時間をかけて浸透しながら固まる性質があるのですが、
2面継ぎの場合、最初の2パーツを接合して糊が固まるのを待つには相当の場所が必要になってしまいます。
結束紐のところで少し説明してございますが、
その糊が固まる時間を結束して稼いでいますので、このように加工途中で止まってしまうと、
製造現場では大変な場所と時間のロスが出てしまいます。

そのため2面継ぎでの接合では止めた瞬間ガッチリと固定される平線止めで加工されるのです。

ただしこの平線止めも、タダでさえ段ボール糊での1面加工に比べて時間と手間がかかる加工ですが、
2箇所を止めるとなると作業時間も倍になります。
また2面継ぎになるような箱に限ってとても大きいですので、その分、打つ平線の数も多く、
生産効率が著しく悪いものになります。

そのため段ボール工場によっては2面継ぎの加工はしないところも多いのですが、
弊社では必要にあわせて2面継ぎの生産はしております。
それでも弊社では小ロットのご注文が殆どですので何とかこなせておりますが、
大量になると流石に生産が追いつかないかもしれません。。
しかしこのような案件に限って大抵、ロットは少ないです。

ちなみにこのブログの大きな箱は、2面継ぎでも追いつかない、更に大きな箱です。

そのため更にパーツを分けて4面継ぎとなっています。

その場合、長さ面はただ罫線を入れるだけの加工にして2パーツ作り、
巾面の両サイドに糊代が付いた形のパーツを2パーツ作ります。
そして長さ面と巾面をまず全て繋いで、その後でそれらを2面継ぎの生産要領で作ります。
これもまたとてもとても手間がかかります。