ダンボール箱を束ねるために結わく紐のこと。
通常、白い色で、ポリエチレンまたはポリプロピレンで出来ている紐です。
みかん箱タイプの箱では糊代に糊をつけるグロアーという機械の出口に自動式の結束機があることが多く、
糊を付けられ折り畳まれた箱が10もしくは20個で一束として結束紐で結わかれます。
結束機自体は足踏み式の半自動のものもあり、それらは鋲止機や他の工程でよく使われます。
段ボール箱をイメージすると白い結束紐で束ねられているのをイメージするほど、ほとんど常に使われるものですが、
それは段ボール箱を作るためのとても重要な役割が結束紐にあるためです。
特にみかん箱タイプの箱の胴部分は筒状になっており、糊代に糊を付けられ接着されています。
この糊の乾燥時間を稼ぐために、糊貼り直後に結束紐でキツく結束しておく必要があるのです。
グロアーから出てきた直後の結束紐をはずして糊代部分を剥がして見てみるとまだ乾ききっていない状態が見れます。
糊代部分に使う糊は、ダンボールの奥の方に深く染み込んで行き、まるでイカリが刺さったような感じで固まるように作られているからです。
例えば瞬間接着剤のような糊でこの糊代を接着した場合、力を軽く入れるだけで表面の紙ごと固まった接着剤が剥がれてしまいます。
それを防ぐため、塗られた糊はライナーの最下層めがけて染み込んで行き、そして固まるようになっているのです。
その場合、当然乾くのが遅いわけですから、乾ききっていない間に接着面を動かすと、よろしくないです。
そこで結束紐の登場なのです。
結束紐で固定された部分がライナーに食い込むほどキツク結束されている理由はこのためでもあるのです。
現在の糊はとても高性能ですが、昭和の時代に糊の性能が悪かった時代は、結束紐が緩かったために糊が染み込まず、
全ロット失敗などといった大惨事?!もありました。
このように糊の乾燥時間を助ける役割以外に、単純に数を数えやすいという理由もあり、ほぼどのパターンでもこの結束紐が使われます。
結束紐で束ねる枚数に関しては決まりはありませんが、みかん箱タイプの箱では10個で結束することが多いです。
昔は20個30個が当たり前で、生産効率優先で作られていましたが、
最近は女性が段ボールの束を移動させることを想定して、女性でも持てる梱包サイズを意識し、10個という枚数になっています。
またとても似通った箱に対して、それを簡単に見分けて、梱包ミスをなくす目的などから、結束紐の色を赤や青にして使うこともあります。
ところでこの結束紐による問題もまたあります。
前述の理由で結束紐はとてもキツク締められていますが、そのため紐が食い込んでしまい、段ボールの一部が変形してしまう現象です。
みかん箱タイプの場合、その位置は丁度、ふたを閉めると表に出る部分になるため、見栄えが悪いのですが、
ガムテープなど色の付いたテープで封をしてしまう分には丁度見えない位置になります。
抜型を使って作られるような箱形式では、同様にこの問題を避けるため、結束紐の位置は折り込まれて隠れるフタ(フラップ)の部分や、差し込まれて
見えなくなる底の部分になるように工夫して結束されています。
また結束紐が結ばれる、結び目によるトラブルもあります。
写真のように、実は結構、出っ張るのです。
みかん箱タイプの結束で出っ張る位置がライナー側になってしまうと、積上げた時に上下の束と緩衝してしまい、段ボールの表面を傷つけてしまいます。
基本的に結束機の方で結び目がライナー側にならないような工夫がされていることが多いですが、
積上げられた段ボールを引っ張りおろす時などは、上下の束がすれないように注意するとこの問題は防げます。
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