糊代とは

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糊代(のりしろ)



みかん箱タイプなどJISの形状番号で02が頭につくタイプの形で、文字通り糊を付けて反対側の面に接着させるための部位を糊代と呼んでいます。

「継ぎしろ」とも言います。

糊代

実は糊代の巾はJISで決まっていて「30mm以上」とされています

しかし実際に出回っているものの糊代はフルートによってその巾を変えて作る工場が多く、

 Wフルート:40mm

 Aフルート:32〜35mm

 Bフルート:32〜35mm

あたりで作られているようです。

弊社の糊代もこのあたりの数字です。JISの規定ギリギリで30mmというパターンは少なくても見たことはありません。


そもそも糊を糊代に塗布する糊ロールと呼ばれる部品の巾が28mm程度ですので、ギリギリ30mmだと糊がはみ出てしまったりしてしまうので、
糊付け工程でどれだけ正確な位置にバラけずに塗布できるかで、糊代の巾を短く出来るのです。


昔は糊付け以外に、ステッチと呼ばれる平線で接合する機会が多かったのですが、その場合はあまり糊代が短いと、
糊代から鋲がはみ出たりしてしまうため比較的長めでした。

最近は、糊で接着するパターンが殆どになり、また設備が高性能になったこともあり、極力糊代の長さを短くするように各工場は工夫しています。

長くても糊が付いていなければ、意味の無い部位になりますので。

また糊代は箱の内側に出っ張りますので、あまり長くても問題を生じます。


みかん箱タイプは使わない紙の面積がとても少ない、コスト面では優等生の形ですが、唯一、全く使わずに捨てられる箇所で一番大きいのが、この糊代の上下の部分になります。

糊代が終わったところからフラップの横の部分です。


糊代自体、箱のサイズとは無関係な部位ですし、しかもこの使わない部分の面積に直結してきますので、数ミリでもその巾を縮められれば、
特に毎日何万個と作る弊社のような工場では、そのランニングコストを大きく減らせる、節約箇所になるのです。


現在の弊社の工場ではこの糊代の上下の部分は機械の出口で下に落とされ、そのまま巨大掃除機の口のようなところから吸い込まれ、
工場外部のタンクに圧縮されて貯められています。

これらの「捨てる箇所」はもちろんリサイクルされるのですが、細かく裁断されてしまった段ボールは、
普通の板状のそれよりも紙の繊維が細かくなってしまっているため、古紙としての価値が下がってしまうそうです。

ですので、その量を減らせるのはリサイクルの優等生段ボールであってもかなり意味がある環境への配慮になるのです。


余談ですが、子どものころ、この糊代の上下の「捨てる箇所」を「士」の字になるように鋲止してもらって
「飛行機」として、おもちゃとして遊んでいました。

エンジンを形作るように翼のところに小さいパーツを追加してもらったり・・・。

今の子供達には馬鹿にされてしまいそうですが、段ボールっていろいろなものが作れるというイメージはこの時、とても勉強になりました。


弊社工場には唸るほど転がっておりますので、もし欲しい方おりましたら「糊代の上下の捨てるとこください!」とご連絡下さい。

廃材で遊んでみるのも童心に帰って面白いかもしれません。