B式箱とは

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B式箱(びーしきばこ)



JISで定められた段ボール箱の形式(JIS Z 1507)では0504というタイプになるもので、
枠と差の2つのパーツを繋いで作り、上下のフタは差込式の形式をB式、あるいはB式箱と呼びます。


ずばり過去の形です・・・。

B式箱を最近は殆ど見ません。

海外から輸入された赤い色をした段ボールで稀に目にすることがあります。


上下のフタを差込式にするには、昔はこのB式箱しか方法が無かったのですが、
抜型を使う製法が普及するにつれ、無くなって来ました。

抜型を使うものが普及する前は、直線的な断裁と罫線の加工しか出来なかったためです。


B式箱は2つのパーツをまず作り、それらを繋ぐのですが、段ボールの糊は速乾性が無いこともあり、
繋ぐために平線を使って鋲打ちで繋げていました。

まず2つのパーツを作る時点で、B式箱は相応の工数が必要になります。

さらに鋲打ちで繋げるのも、B式では2箇所の糊代を繋げますので、さらに工数が必要になります。

B式箱
一方、B式箱と同じように上下のフラップを差込んで封をする上下差込式
抜型で抜かれた時点で1つのパーツで、糊代は1箇所で通常のダンボール糊を使えますので、圧倒的に加工コストがかからず大量生産できます。

加工コストが高い昨今、この形にする方がB式よりも圧倒的に安価に作れるのです。


またB式箱は鋲打ちが必要になるため、リサイクル時の分別回収の問題もあります。


しかし、昭和の時代ではB式はとても多く使われ、サイズが小さいものや再封性を持たせる必要がある場合は殆どがこのタイプでした。


このような理由でB式箱の殆どが上下差込式に変わっていきましたので、上下差込式のことをB式と認識して呼ばれることも稀にあります。


平成初期頃までは、上下差込式にするには抜型コストがかかるといった理由から、極小ロットの場合はやむを得ずB式を使う場面もありました。

しかし最近、小ロットを抜型不要でカッティングできる設備が普及してきたことから、極小ロットでもB式箱は使われなくなってきています。


B式箱は蓋を差し込んで、また開くことも出来るのですが、内フラップが無いという点が箱としての用途で欠点になります。

上下差込式では差し込まれたフタが内フラップによって支えられるため、箱の枠の上部より下にはフタが下がらないようになりますが、
B式では内フラップが無いため、蓋をした後、上に置かれたものによって、箱内部に空洞が出来ると、蓋が内側に入り込んで天面が凹んでしまうのです。

そうなってしまった蓋はなかなか引っ張り出せず、昔使ったことがある人は、その時のイライラを覚えているのではないでしょうか。。。


よほどの理由が無い限り、現在ではこのB式箱の要望は無いと思いますが、うっかり手元にある昔のサンプルや輸入された状態のものを
参考に手配をしようと考えられるお客様からは稀に要望があります。

そういった場合には、上下差込式をお勧めしています。