文化鋲とは

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文化鋲(ぶんかびょう)



段ボール箱の相対するフタの位置に再封性を持たせるために取り付ける、紐を巻けるワッシャ状のものと紐がついた金属の鋲を文化鋲と呼びます。

ワッシャ状のものは大抵赤いプラスチックで出来ていて、紐はタコ糸のようなもの、金属の鋲部分は中空状でスリットが入っています。

文化鋲を取り付ける位置に事前に千枚通しなどで穴を開けておき、裏面には厚紙製のワッシャをかまして、表面からワッシャの付いた金属の鋲を刺し、
裏面からトンカチなどで叩いて文化鋲を潰します。つぶれた文化鋲は十文字につぶれ裏側のワッシャに引っかかり抜けなくなる仕組みです。


文化鋲はみかん箱タイプの形状の外フラップに良く取り付けて使われました。
フラップのセンターに一対で取り付けられる場合と、二対を適度な距離を離して付けられるパターンが多かったです。


以前は封筒などでも文化鋲と同様の形式を良くとられましたが、最近はそちらもあまり目にしなくなりました。


用途としては特に昭和の時代の書類保存箱で文化鋲はよく使われました。

文化鋲は上記のような作り方なので、1個1個パートさんなどが手で鋲を打って作るため、人件費コストが大きくかかるため、
最近では文化鋲が付けられたものは殆ど見なくなりました。


またリサイクルの観点から、段ボール回収の際、金属を外さなければ古紙回収として持って行ってくれないなどの問題がでてしまい、
その影響から文化鋲が敬遠されたこともあるようです。


また段ボール箱の生産技術が向上し、当時はみかん箱タイプの形状ばかりでしたので、
フタ部分に再封性を持たせるためには自動的に選択肢が文化鋲となったのですが、
昨今は上差込下組式などの形状を簡単に低コストで作れるようになったため、再封性を求める場合はそちらの箱形状が選ばれ、文化鋲はあまり使われなくなりました。

文化鋲の代替品
それにあわせて流通量が激減したためもあり、文化鋲自体の仕入値も高くなってしまい、ますます使われない方向になっています。

変わって文化鋲の代替品として弊社では「マルタック」と呼ばれるシールでダンボール表面に取り付けるタイプのものをご案内しています。


写真の左側1つと右側1つでセットになり、大きめのシートにそれぞれ張り付いている製品です。


表面にシールで貼るだけなので、表面から剥がれてしまうのではとの問合せをいただきますが、
強力粘着シールですので、シールがはがれる前にダンボールが壊れてしまう程度の強度があります。

そのため10年近く納品させていただいている中では、そのようなクレームは起きておりません。

こちらはシール単品での販売もしておりますので、コストという意味では最も安価なみかん箱タイプと組み合わせればかなり安く、文化鋲と同じ再封性を持たせる箱を作ることが出来ます。