C式箱とは

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C式箱(しーしきばこ)



JISで定められた段ボール箱の形式(JIS Z 1507)では0300、0301というタイプになるもので、
蓋と身という二つのトレー状のものを被せ合わせて箱にする形のものをC式箱と呼んでいます。

お弁当箱の形と同じなため、お弁当箱タイプと呼ばれることもあります。

C式箱

C式はやや過去の形となりつつあります。


断裁加工も罫線加工も切り込み加工も全て直線で作れるため、抜型による生産が普及するまではC式も
多く見られましたが、最近はあまり見られなくなりました。


抜き技術が普及するまでは、再封性を持たせるにはB式箱が多用されましたが、
高さが低く平べったいものではB式で生産できないため、このC式箱になることが多かったのです。


カレンダーや衣類などの梱包や額縁状の製品の梱包、また細かいパーツを分けて入れるため組仕切とセットで使う場面などでC式はよく使われました。


C式はB式と同様、鋲止で四隅の糊代を接着して作ります。

B式と同様に2つのパーツが必要になり、接着箇所はC式の方が更に多いので、この鋲打ち作業に大変手間のかかる形で、
やはり加工コストがかかりすぎるタイプの形でした。


このC式のタイプはN式のシリーズや、04タイプの組み立て型に移行されていくパターンが多かったです。

抜型を使うことで04タイプの蓋と身を作り(額縁状に折り返して四隅を作るパターン)、組み立てて使うため鋲が不要になり、
C式箱と同様の形にするのです。

この形はC式箱と区別して弊社ではC式額縁タイプと呼んでいます。


C式はリサイクルの問題で分別回収が必要になり、接合に鋲止を行っているパターンをボンドなどに変更して作られている時期もありました。

平成初期にはこのC式の四隅の接合を専用糊で接合できる設備も開発されたため、B式とは異なり、抜き箱が普及した後も
しばらくはよく作られていました。


しかし平成10年代の後半から、包装資材のコストが高騰した際、このように手間がかかるタイプの箱は抜き箱や小ロットカット機による
生産に切り替えてコストダウンを計る事案が多く、最近急速にC式箱を目にすることが減ってきました。


C式箱は蓋も身も両方とも四隅を糊代で止めるのですが、糊代に厚みがあるため、同じ位置に糊代が重なると、
極端にその方向だけ箱が大きくなってしまいます。

特にWフルートなど厚みがある材質で作られたC式箱では、特にその方だけゴワゴワになってしまいます。

JISで番号が二つあるのはそのためで、同じ方向に糊代が来るパターンを0300、互い違いの方向に来るものを0301として区別しています。

大抵のC式箱では蓋と身の糊代の位置が逆になるように設計されることが多かったです。(0301)

ただし加工条件から片方の方向しか機械を通せない場合や、その方がコストを落とせるなどの理由があるときのC式は
同じ方向に糊代が付いたパターンで作られました。(0300)


昔はこのC式箱は良く作られましたので、鋲打ち職人が恐ろしいスピードでこの鋲を打って、作っていたのを覚えています。

平線を打つ機械は足踏み式のスイッチを踏んでいる間は鋲が出続けるのですが、その機械の回転スピードに合わせて、
C式を持つ手を移動させて、一度も足を離さずに4隅を止めるそのスピードは神業のように見えたものです。