C式額縁タイプとは

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C式額縁タイプ(しーしきがくぶちたいぷ)



JISで定められた段ボール箱の形式では0422、0425とされている、組み上げてトレー状になるタイプになるものを、
フタと身として使えるように2つ作り、お弁当箱のように被せ合わせて使うタイプ
をC式額縁タイプと呼んでいます。

C式箱と使い方は殆ど同じですが、作り方が全く異なるため、区別してC式額縁タイプとしています。

C式額縁タイプ

C式額縁タイプは基本的には抜型を使う抜き箱で、0425では四つの立ち上がる面を、0422では二つの面を、それぞれ
立ち上げた後、折り返して、2重に巻き込むように組み上げて作ります。

組み立てタイプなので、納品時の形(段ボール屋としての製造作業が終わった形)は平らな1枚の板状になります。


2重に巻き込むように組み立てると、段ボールの厚みを考慮して、折り目の部分はその厚み分大きく折り返します。

そこが額の縁のようなので、額縁タイプとされているようです。

額縁から折り込まれた面は底面にあいた穴に先端を挿して固定します。

底面にあく穴が好まれない場合は、隣り合うその面同士でロックさせあって固定する方法もあります。


0422、0425という形式名はそれぞれトレーとして使われるのを前提に規定されておりますが、
C式箱の製造コストと運搬の非効率性、鋲止による異物の排除の観点から、それに代わる形として
この組み上げて作るトレーをC式箱のように被せ合わせて使うパターンが多く使われるようになりました。

最近では、フタと身からなるパターンでは、殆どこのC式額縁タイプが使われています。


C式箱は製造された状態で既に箱の形になってしまっていますので、中身が入っていない状態でもとても大きな体積になり、
運搬時には段ボール箱の中の空気の体積の方が大きいため、空気箱とふざけて呼ばれることもある程、運搬効率が悪いです。

一方、C式額縁タイプにすることで、その運搬時の体積は圧倒的に小さくなります。


C式額縁タイプはC式箱と違ってその額縁部分に切断面がこないため、品物を入れた姿が綺麗に見えます。

そのため贈答用途の梱包に使われることが多いです。

その際、身になる方を0425形で作り、フタになる方は0422で作られることが多いです。

C式額縁タイプにすることでその面は2重になり、強度もありますが、厚ぼったくなりすぎてしまうため、
特に厚めの紙質で作られるときは、フタは0422が多いです。


またC式額縁タイプで使われる段ボール素材は、額縁部分が分厚くなりますので、薄いタイプを使うことが多く、
大抵はBフルートかEフルートが使われることが多いです。


特に贈答用途になると、C式額縁タイプという形とあわせて、ダンボール表面の色や模様も普通のクラフト色でないパターンが多く、
それらはB,Eフルートの方が入手しやすいこともあります。


C式額縁タイプの額縁部分は厚みのある段ボールとしてはとても狭い範囲で折りこまれます。

中芯の筋模様に垂直に折られる場合は罫線加工が活きて綺麗に折れるのですが、
筋模様に並行に折る場合は、罫線の位置で綺麗に折れず、筋模様の位置によってずれてしまうことがあります。


そのため強制的に罫線の位置で綺麗に折れるようにするため、
額縁部分は罫線加工だけでなく、ミシン刃を使った加工を追加して施すことが多いです。

ミシン刃で間隔をあけて切断し、その間に罫線加工するように抜型を作ることにより、本来の位置で折れるようにするのです。