Aフルートとは

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Aフルート(えーふるーと)



Aフルート
ダンボールの板を厚みや段の数によって分ける種類の中の一つで

厚みが4.5〜4.8mm、30cmあたりの段の数(ナミナミ模様の数)が34±2個になるものをAフルートと呼んでいます。


パッと見て厚みが5mm、ナミナミの数が少なければAフルートと判断するとわかりやすいです。


とても一般的な種類のため、段ボールというとこのフルートをイメージするほど多く出回っています。

よく見る青果物の箱、引越し屋さんの箱などなど、大抵はAフルートであることが多く、国内でも最も多く出回っています。


昔は外装箱にWフルートを使い、内装箱Bフルートを使うため、Aフルートは中間的な材質として使われていましたが、
最近は物流条件が良くなったため、特に国内の配送目的では外装箱にWフルートを使うとオーバースペックなイメージがあり、
外装箱用途にAフルートが使われることが多いです。

お客様側のコスト見直しが進むにつれ、Wフルートの量が減る分、Aフルートの量が増え、今では弊社では最も多く処理しています。


強いてあげるAフルートの弱点は、細かい印刷に向かないことです。

30cmあたりの段の数はBフルートの場合は50±2個あるのですが、Aフルートはそれより16個も少ないため、
どうしても表のライナーを支える土台が少ないこともあり、中芯の出っ張りに沿ってインクが多く付いたり、
逆に中芯の凹んでいるところで、インク擦れが出てしまったりしやすいのです。

表のライナーの強度がさほど無いのに、中芯だけを強化しているAフルートではこの現象で悩まされることが多いです。


A4書類以上の大きさの底面を持つ箱で、第三者によってその段ボールが個別に運ばれるような事象が予想される場合、
とりあえすAフルートで作っておけば、問題ないはずです。


意外と盲点なのが、厚みのあるAフルートなのに薄いBとの値段の差が無いという点です。

Aフルートは約5mm、それに対してBフルートは約3mmと薄いため、厚みのあるAフルートの方が高価であると勘違いしがちですが、
少なくても段ボール箱の製造業者に入ってくる段ボールシートの時点では、AフルートもBフルートも平米あたりの単価は同じです。


Aフルートは板になった時の厚みはBフルートよりもありますが、中芯の部分はBフルートのそれより段数が少ないためです。

ナミナミのパターンが少ない方が使う紙の量は少なくなるからです。


ただしダンボール箱は内寸法を基準に作られますので、厚みが厚いAフルートはその肉厚を考慮した展開寸法になった時点で
少しBフルートのそれに比べると大きくなります。

ただ各面で数ミリ程度が加算される程度ですので、箱になった時点でも大差はありません。


しかし、材質の問題以上に、箱などの製品になったあと、お客様への物流コストが影響してきます。

1枚の厚みだけでAフルートの方が2mm程度厚みがありますので、みかん箱タイプの箱にすると畳んだ状態で4mmです。

100個束ねると4×100個=400mmとなりますので、Aフルートにした場合は宅配便の1梱包分程度の差が出てきます。


作った後、梱包する場所までの距離がさほど無いような場合は、AフルートでもBでもあまり意識しなくても良さそうですが、
特にネット通販などで購入される場合は、この点を注意して、Bフルートで条件を満たすようなもので、コストを重視するのであれば
なるべく薄い材質にする方が良いです。