ダンボール板のナミナミした模様の部分をサンドイッチのパンの部分のように挟んでいる、表裏の平らな紙の部分をライナーと呼んでいます。
ライナーの種類に関してはJIS P 3902で規定されています。
ただしそこではAA級紙〜C級紙というグレードや重さに対しての、圧縮強さ、破裂強さという見方でライナーを分類・規定しています。
しかし実際に市場に出回るライナーはAA級とかB級とかのグレードでは呼ばれず、
C5、K5、K6など全く別の観点から分けられた種類になるので、
少なくてもダンボール箱を企画する段階でJISのそれを見てライナーを云々という作業は殆ど無いです。
2010年現在、普通に入手できるライナーは下記の種類になります。
C5,K5,K6,K7
左が弱く、右に行くほど強いライナーになります。
たったこれだけになってしまいました。
ちなみに「段ボール屋」のホームページを立ち上げた頃は
D4,C5,C6,K5,K6,K7
と2種類多くあり、かなり細かいライナーの選択が出来ました。
Dライナーは100%古紙から出来ていて、Kは殆どバージンパルプから、Cはその中間くらい。
という曖昧な設定でしたが、現在はKライナーでもその殆どが再生古紙から作られているようです。
アルファベットの後に続く数字は重さを表していて、昔の「モンメ」の名残です。
Cライナーで重さが5モンメ、、、といった感じで使われていたそうです。
もっとも今はその単位すらありませんし、当時のそれと同等という位置づけでそのまま使われています。
ライナーの種類はすべてこのような感じで、昔の○○と同等品ということでメーカーがその実際の重さや強度を
都度調整(グレードアップ)してしまいますので、特に弊社のようにそれを仕入れて使っている立場では、
闇に包まれた部分で勝手に中身を変えられているようで、あまり良い印象がありません。
弊社では定期的にこちらから使用ライナーに関してメーカーに問合せています。
この曖昧なライナーの名称をキチンとさせるため、一部の表記ではC180とかK200とか
アルファベットの後の数字をグラム数で表している場合もあります。
JAさんの箱のフタの部分などを見てみるとこのライナー表記になっていることが多いです。
Dライナーはとても安価なライナーだったため、一時期の材料価格高騰の時、古紙価格が異常に高騰し、
それに対する売価が安すぎたため、採算に合わないライナーとして淘汰されてしまいました。
C6は強度的に殆どK5と変わらない割りに、厚みがあり、生産コストは殆ど変わらなかったようですが、
価格設定としてどうしてもKライナーよりCライナーは安くなりますので、やはりDと同じ問題から淘汰されてしまいました。
それぞれ使われていたユーザーさんはおりますので、代替として別のライナーで対応しています。
Dライナーを使っていたものには、中芯の紙を強引に貼り合わせて使っています。
中芯は包装の表面に出ることを想定されずに作られていることもあり、見た目は悪いです。
ねずみ色でザラザラした感じの表面になります。
これを表面に使うことは滅多に無く、箱にした時に内側になる面だけに使ってコストを落とすのに使っています。
しかしこの手法も出荷量の兼ね合いから、メーカーでC5ライナーを裏面も作ってしまい値段だけ中芯扱いということも多いです。
C6ライナーに関しては当然、強度的に大差ないK5を代替としましたが、代替品の方が高価なライナーになってしまうパターンでしたので、
その値段に関しては、メーカーとユーザーの力関係から対処はマチマチだったようです。
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