ダンボール箱の寸法表記方法の一つで、箱の内側の寸法。
長さと巾と高さの3つの寸法で表現します。
ダンボールは厚みのある材料であり、箱形状に組み立てると、折れ線位置(罫線の位置)
よりも内側にその肉厚分だけダンボールが出っ張り狭くなります。
厚みの種類がフルートによって異なる段ボールでは、この内寸法はとても重要な寸法になります。
内寸法が同じでも箱を広げた時の実際の寸法(外寸法・罫線寸法)はフルートによって異なってくるからです。
注意する点は、箱の中にいれる品物の寸法と内寸法は必ずしも同じにしてはならないという点です。 みかん箱タイプの形状の箱で、内寸法と品物の寸法を同じにしてしまうと、段ボール表面との摩擦と箱の中の空気が抜けないため、
相当力を込めても入らない状態になることが殆どです。
常に【箱の内寸法>品物の寸法】とイメージする必要があります。
例外として、内容物がビンや缶のような、円形でかつ隙間をなくして固定したいような品物の梱包時は、内寸法と品物のそれが同じであっても大丈夫です。
また大規模工場などで製品の生産ラインの最後に自動的にダンボールで包んで梱包をするような設備で使う場合(ラップアラウンド形式)も
ピッタリに梱包して、開封時は包装を破いてしまうような使い方ですので、この場合も内寸法と品物の寸法は同じになることが多いです。
しかし殆どの場合は、まず箱を組み立てて、その中に品物を入れ、封をして、運ばれた先でも、順番に中身を取り出すなどの作業をしますので、
箱への出し入れを考えれば、品物寸法に余裕を加えた寸法を内寸法としています。
弊社では、みかん箱形式で一般的な内容物に対しては、品物の寸法に3〜5mmを加えた寸法を内寸法としています。
品物に袋や緩衝材を被せてから梱包する場合は、その厚みも加算します。
全くテストが出来ないような状態では、無難に5mmを加えた内寸法として作り、ロットが流れていく中で、余裕が大きすぎると感じた場合、
お客様と連絡を取り合い、次のロットから内寸法を小さく修正したりします。
また、入れる品物が複数ある場合は、箱への入れ数のサンプルを実際に積上げてみて、その寸法から箱の内寸法を計算します。
難しいのは空気が含まれているような品物を梱包するための内寸法の算出です。
例えば衣類はフワッと膨らんでいますので、それを箱に詰めていく場合、膨らんだまま入れると、空気ばかりの梱包になってしまい、
体積あたりの梱包数が少なくなってしまいます。
潰せれば潰せるだけ沢山入りますが、あまり潰すと品物の価値が下がってしまうものもあります。
この辺は品物のメーカーと入念に打ち合わせて、その潰れ具合やどこまで潰して入れるかを検討・確認して内寸法を決定する必要があります。
品物の価値以外でも、例えばビニール袋に入った品物では、梱包の前後で袋の中の空気の膨張具合によって、箱詰め時はピッタリだった寸法が
途中でスカスカになったり、逆に破裂しそうなほど膨れてしまったりしますので、これも内寸法の決定上、要注意です。
中に入れる品物の特性や入れ数、入れるパターンを良く考えて、内寸法を決定する必要があります。
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