手掛穴とは

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手掛穴(てかけあな)



段ボール箱の両サイドなどに穴を開けて手を掛けて持てるように加工する穴を手掛穴と呼びます。


手掛穴のサイズは特に決まりが無く、各段ボール工場ごとに数種類の手掛穴用の抜型を所有しており、
それを使って加工します。


弊社で所有している手掛穴の種類は下記のページでご説明してあります。
Q1: 手掛穴は付けられますか?


手掛穴はそのサイズと全開手掛穴か半開き手掛穴にするかによっていろいろな種類が選べますが、
穴を開ける位置もある程度、自由に設定できます。

大抵は巾面(長さの短い面)の左右方向はちょうど中央になるようにして、上の罫線から5〜10cm程度離れた位置に手掛穴がくるように加工します。


例えば極端にサイズが大きい箱で、側面の真ん中に手掛穴を加工しても、両手を広げて手が届かない位置になってしまう場合などは
片方の面に寄せた位置に開けたりします。


下の写真は手掛穴の加工に使う抜型の写真です。
手掛穴
これは半開き手掛穴と呼んでいるタイプのもので、
手を掛けるときに箱の内側に折り込んで使うタイプになります。

周りはギザギザのカット刃になっていて、その部分で段ボールを完全に切りますが、
上の棒状の部分は罫線加工をするために段ボール表面を凹ませるだけになります。


緑色のゴムの部分は、加工途中にダンボールが刃物に引っかかってしまわないように、一度押し込まれた板を押し出すためについています。

刃物の周りの黒いゴムの部分も同じ役目をはたします。


手掛穴はみかん箱タイプでよく使われます。

手を掛けないと持ちづらいような箱のサイズは大抵とても大きいため、全体を抜型で抜き加工できるようなサイズでないためです。

手掛穴用の抜型
みかん箱タイプの形を作る設備は、刃物がロータリー状になっているため、
段ボール工場見学のページの印刷のところで円盤状になっているところが刃物です)
手掛穴を加工する抜型にもアールが付いています。


このアールの付いた抜型は、普通の平らな抜型に比べてとても高価になります。

余談になりますが、手掛穴として使う以外に窓として使うような穴の加工も、この手法を応用して行います。


手掛穴を付ける加工は、昔に比べて少なくなりました。

手掛穴の加工は加工工賃が高めですので、そのコストの問題があります。

また段ボールを封した後に異物が混入してしまうのを恐れ、外装に穴を開けないようにする風潮にもよります。

一部の大型の機械類の梱包用途に手掛穴の加工を施すことが多いです。