地獄底とは

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地獄底(じごくぞこ)



弊社では上差込下組式と呼んでいる箱形状の底部分と同じで、組み立てて底を形成する部分を地獄底と呼ばれることがあります。

地獄底はアメリカンロックとも呼ばれており、呼び名は特に決まっていません。

地獄底抜型を使った箱を作る際の底面で地獄底は良く使われます。

単純な差込式のフタ・ソコのタイプよりも底側の方向が固定されている場合は、箱の仕様面積が少なくなるため、
よく用いられます。


底面としての用途限定で、簡単に組み上げられる方法は地獄底以外で他にワンタッチ式がありますが、
そちらは専用の生産設備が必要であることもあり、主に大ロットでよく用いられます。

一方、地獄底の方は、抜型さえ作れば組立は手動になりますので、小ロットでも比較的簡単に手配、入手が出来ます。

地獄底の組立1地獄底の組立2
地獄底の組立3
地獄底を組み上げるには一定の順番どおりに行う必要があり、
まず凹形をしたフラップを折り曲げ、次にその両サイドの巾の狭い面のフラップを折り曲げます。

最後に凸形をしたフラップの先端を底面の真ん中に差し込むことで、他の3つのフラップを押さえつけながら、固定されます。


最後の凸形をしたフラップを差し込む際は、底面全体をへこませながら差し込むため、
箱の中に品物が入っている状態では地獄底は組み立てられません。

逆に品物が入っている場合は、底面が持ち上がらず、はずせませんので、地獄底は底面としての用途では安心感があります。


組立は簡単ですが、一度組み立てたら戻せない・・・

一方通行で後戻りできないようなイメージから「地獄」なんていう恐ろしいネーミングなのかと認識しています。


ところで稀に重量物でその重心がちょうど面の真ん中あたりにかかるような品物を入れる場合、
地獄底のソコがたわんで凸の先端が抜ける恐れがあるときがあります。

そのような場合は、底面にピッタリなサイズの仕切り板を敷くなどすることで、地獄底にかかるその荷重が分散され、
底面のロックが外れにくくすることが出来ます。


ところで地獄底の凸形のフラップの先端部分(差し込む長さ)を短くすると、他の面の部分も同期して短くすることが出来、
箱全体に使われる紙の面積を小さく出来ます。

かといって、あまり短いと、底抜けが心配ですので、長くなりすぎない程度に、その内容物の重量や箱の大きさなどを加味して
長さを決めます。

一般的な地獄底では2cmから3cm程度が普通です。


この地獄底はボール紙で作られる紙器箱でも使われることがありますが、
紙器箱では巾の狭い面のフラップの先端部分をくの字にして、より各差込が引っかかるように工夫されていることが多いです。

しかし段ボールでは板自体の強度もあり、むしろそれによって地獄底を組み立てづらくなるため、先端は普通の直線になっていることが多いです。