オーバーフラップとは

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オーバーフラップ(おーばーふらっぷ)



JISで定められた段ボール箱の形式(JIS Z 1507)では0203というタイプになるもので、
みかん箱タイプ(A式)(0201)の外蓋の部分の長さが長く、フタをすると完全に重なる長さの箱形式、もしくはそのフタの部分の部分的な呼び方です。

フタ(フラップ)が大きく伸びているイメージからオーバーフラップという俗称で呼んでいます。

オーバーフラップ
みかん箱タイプの形式を検討していて、巾が長さに対して極端に短い場合、外フタの巾が長さに対して小さくなりすぎ、
フタが折れづらくなったり、折っても反り返って使いづらい場合などにオーバーフラップにします。


また重量物の梱包において底面の外フタを完全に二重にして底抜けを極力防ぐという使い方でオーバーフラップのフタにする場合もあります。

みかん箱タイプのままですと、特に底面の中央に荷重が集中するような場合、底抜けの恐れがあるからです。


自転車など長さはあるけど幅が少ないようなパターンではこのオーバーフラップが良く使われているのを目にします。


またオーバーフラップが選択される理由の珍しいものとして、箱を広げた時のサイズ稼ぎという場合があります。


段ボール箱を作る際は広げた状態で裁断機や印刷機、糊貼り機を通っていきますが、3辺のサイズのうち特に巾が極端に小さいものは
広げた時の巾も小さくなりがちです。

広げた時の巾というのは、箱にした時の高さと巾の合計寸法になるのですが(厳密には厚み等を加味して若干大きいです)、
高さがそれ程ない小さいもので巾も短いパターンですと、この巾が機械に通る最小寸法を下回ってしまうのです。

そのため強引にサイズを稼ぐために、オーバーフラップのフタ形状にして作る場合があります。


オーバーフラップは欠点が幾つかあります。


まず大きさの問題です。

普通のみかん箱タイプの形状に比べて、オーバーフラップではフタの長さが倍になりますので、当然その分材料を多く使うためコスト高になります。

またフタの長さが倍になるということは畳んだ時のサイズも大きくなりますので、オーバーフラップの場合は置き場や梱包時の取り回しにも難がでます。

エンドユーザーが使い終えた際の廃材サイズも大きくなります。


次がオーバーフラップのフタ形状そのものによる問題です。

封をする際にテープなどを使う場合、止める箇所が箱の端の部分になりますので、封をする作業自体も大変になりますが、
隣の荷物と擦れた際、テープが剥がれてしまうかも知れないという問題もあります。

また段ボールの板自体の厚みを考慮しないで、強引に同じ位置から折り込んで二重に重ねているため、内容物の入れ方や重さなどによって
特に小さく細長い箱でオーバーフラップにしたものは、立てた時に傾いてしまう問題もあります。


最近は箱の中にいれる緩衝材に安価で優れたものが沢山選択肢として選べるようになったことや、
配送品質が上がったことによって材質に柔らかいものを使われるようになりフタを折り込み安くなったことなどから、
上記の欠点を避けるため、余程、細長いものや小さいもの意外ではオーバーフラップを使う頻度が減ってきました。